【サッカー監督というより映画監督なクロップ】”スタジアムは1つの大きな心臓のように鼓動していた”

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自分達を信じられる場所 戸田和幸、アンフィールドを語る | footballista.jp
「何か起きそうな雰囲気がある」UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2レグ「リバプール-バルセロナ」の試合前、リバプールサポーターで埋め尽くされたアンフィールドに対して同試合におけるDAZNの中継解説を担当した戸田和幸が発した言葉である。そして、実際に

今後のサッカー業界で長く語り継がれるであろう2019チャンピンオズリーグ準決勝「アンフィールドの奇跡」試合後のリパプール監督クロップがゲームを振り返ります。興奮冷めやらぬ様子の指揮官は、リパプールのスタジアム”アンフィールド”が持つ雰囲気を”心臓の鼓動”のようだと例えました。

クロップ信者
クロップ信者

いやぁ。奇跡って本当にあるんだねぇ。あのバルセロナ相手に3-0から3-4の大逆転でチャンピオンズリーグ決勝に進出。しかも、サラーとフェルミーノ抜き。もうトーナメントのどこで当たってもバルセロナなんて怖くないな。

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Liverpool 4-0 Barcelona (Agg 4-3) – Jurgen Klopp Full Post Match Press Conference – Champions League

ある記者よりこのような気の利いた質問がクロップ監督に投げられました。記者会見動画を見ると、記者の中にも気の利いた良い質問ができる者と、ありきたりで答えづらい質問をする記者がいるのが分かります。この記者が投げかけた質問が、クロップの名言を引き出すことになりました。良い質問が素晴らしい名言を産む好例です。

のインタビュー動画は06:18から

Journalist: Jurgen, do you think the result would have been the same if you played in an empty stadium?

記者:クロップ監督、もし今日の試合が空っぽの無観客の中で行われていたら、今晩と同じ結果になっていたと思いますか?

Kropp: No chance. We know that this club is the mix of atmosphere, emotion, desire and football quality with. You cut off one and it doesn`t work. I said it before for me this club when you have to describe it is it`s a big heart and tonight it was obviously like a crazy, what is it? pounding like crazy and you could hear it probably and feel it all over the world.

クロップ監督:ノーチャンスだよ。このリバプールというクラブが持つ雰囲気、情熱、渇望そしてサッカーの質、それらが全て混ざりあった結果だと思う。1つでも切り離せば、上手く行かない。以前にも言ったように、このクラブは1つの大きな心臓みたいなものだ。今晩はまさにスタジアム全体が1つの心臓の鼓動のように熱く動いめていて、それが聞こえるようだったし、世界中でもそれが感じられんじゃないか。

-if you played in an empty stadium もし空っぽのスタジアムで試合をしたら

→仮定法の好例です。played のように過去形の形にすると”もし~だったら”

-it dose not work うまく行かない

おそらくこの記者は、クロップ監督に上のようなコメントを引き出すために、このような質問をしたのだと思います。クロップ監督も内心はニヤリとしたのではないでしょうか。リバプールのホームスタジアムは世界の中でも1・2を争う熱狂的な雰囲気を産むスタジアムです。某解説者も言っていましたが「奇跡が起こるスタジアム」です。この試合は1stレグで3-0のビハインドを背負ったリバプールが、4-0でバルセロナを倒さなくては敗退するというほぼ不可能なミッションからスタートしました。そしてその奇跡を完遂した。その奇跡を産んだのは闘った選手のみならず、最後まで奇跡を信じ続けたサポーター、そしてそれが起こると信じられるアンフィールドという場所のおかげでもありました。

そして赤字で示したクロップ監督の名言が産まれます。自チームのスタジアムの雰囲気を、crazyと多用しながら、大きな1つの心臓の鼓動のようだったと表現しました。例えそこにいなくても、この試合の雰囲気が良く分かるサッカー史に残る名言だったと個人的に思います。

こう見るとクロップという人物はサッカー監督でありながら、記者会見までもエンターテイメントに変えてしまう映画監督のような人物にも見えます。スタジアムという劇場を使った映画監督であり、先のスタジアム心臓コメントも、演出のような言葉です。彼は一時期、メディアで働いていた経験もあるので、こういった記者会見についての理解は他の監督よりも人一倍あると聞きました。

サラリーマン
サラリーマン

これは記者の質問が秀逸だね。アンフィールドというスタジアムの特別な雰囲気を、クロップに説明するように上手く誘導しているよ。

一流のユーモアを併せ持つ一流の監督

クロップ監督というのはその人柄が大きな魅力であると彼に関わった人達は言います。選手、コーチ、クラブ関係者、サポーター、皆が彼の飾らずに、情熱的でありながら、ユーモアたっぷりの態度に魅了されます。これこそが、クロップという監督のマネージメント方法でもあるのですが。この質問では、リバプールというクラブが持つ独特な雰囲気について尋ねられています。リパプールというクラブの熱狂的な要素こそが、あなたが移籍してきた理由でもあるのですか?という質問に対して、クロップ監督は契約金という言葉を用いて彼なりのユーモアで返し、会場を笑いに包みます。

のインタビュー動画は07:28から

Journalist: We know you have had a big nights before as a manager at Dortmund and everything huge nights that are very emotional but is that kind of this night the reason, the kind of reason why he came to Liverpool? Because it`s a club that can produce nights like this?

記者: 私たちはあなたが以前、ドルトムント(ドイツのクラブチーム)でも監督して今日のようなビッグゲーム、全てがエモーショナルになるような試合を闘ってきた事を知っています。まさにそれこそが、あなたがリバプールにやって来た理由でもありますか?リバプールは今晩のような試合を演出できるクラブだと言うのが、その理由だったのでしょうか?

Kropp: If I would have known exactly, yes. But I didn`t know exactly, it`s like I heard about. But when you work for Dortmund, it`s difficult to imagine that there is somewhere atmosphere like this is possible and I really really love Dortmund atmosphere. And the good thing is that I don`t have to compare. But if I would have known then, I would have signed a much smaller contact probably.

クロップ監督:もし私がそれを知っていたら、そうだろうね。けどその頃はリバプールについて正確には知らなかったよ、もちろん話には聞いていたけども。しかし、ドルトムント(※ドルトムントというクラブも欧州で1・2を争う熱狂的なスタジアムで有名)で働いているとね、同じような雰囲気を産めるクラブがここ以外にもあると想像するのは難しい。それにドルトムントというクラブを本当に愛していたからね。良い事はリバプールとドルトムントを比べる必要はないという事だ。しかし、もし私がリバプール、アンフィールドという場所をもっと知っていたなら、たぶんもっと低い契約金でリバプールとサインしていたんじゃないかな。(記者一同笑う)

-if I would have known もし私がそれを知っていたら(実際は知らなかったが)

-I would have signed a much smaller contract もっと小さい契約でサインしていただろう

※would have 過去分詞動詞  ~だっただろうに(実際はそうではない)という高校英語で出てきた文法をクロップはこの記者会見で2回も使ってくれています。

リバプールのアンフィールド、ドルトムントのジグナル・イドゥナ・パルク。どちらがより熱狂的な雰囲気を産みだすスタジアムかは分かりませんが、その2つのクラブの全盛期を、クロップという誰よりも情熱的であり、サポーターからも愛される監督が担っているというのは決して偶然ではないかのかもしれません。

サラリーマン
サラリーマン

日本のスポーツ記者も、記者と名乗るくらいならば、このジャーナリストの質問を見習うべきだね。”今日の試合はどうでしたか?” ”ゴールを決めた時はどんな気持ちでしたか?” そんな小学生でも出来る質問ばかりじゃ、日本サッカーのレベルも上がらないはずだ。

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