【”間違えた男らしさ”で窒息している人たちを救いたい】 Queer Eye(クィア・アイ) – 人は皆、期待された役割をこの社会で演じているだけ

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Netflix『クィア・アイ』は、男らしさに毒された文化への解毒剤
「この子は嘘つき(She's a liar」とジョナサン・ヴァン・ネスは宣言する。ジョナサンは、2000年代の人....

人というのは基本、型にはめられたくない生き物だと思います。

型というのは何でもいいです。血液型だけで、”あなたはB型っぽい!” と言われたり、”君は典型的な関西人だね〜。”と言われたり、君みたいな人は絶対に●●だ!と決め付けられたり。簡単な形容詞1つだけで、自分という人間を定義されると”お前に何が分かるんだよ。”という一言でも言い返したくなりますよね。

日本のオネエ系ではなくファブ5

ここにnetflixのqueer eye(奇妙な視線)という番組があります。LGBTであるゲイ5人組が、それぞれの専門性を生かして、ファッション・インテリア・料理・髪型・文化の5つにおいて、人生で困難を感じている対象者の生活をより良くしてしまおうという番組です。

日本のテレビ番組では、このようなゲイ男性をオネエ系というカテゴリーにはめて、実際に出演するゲイ男性も、日本のテレビ番組で期待されている所謂、オネエ系のキャラを演じようとします。ちょっとカッコいい男性を見つけると”良い男ねぇ。”と色目を使ったり、若くて綺麗な女性を見ると強く当たったりするアレです。

しかし、このqueer eyeの5人組はそのような型にはめられたゲイを演じません。彼らはオネエ系ではなくfabulous five(素晴らしい5人組)として、自分らしく行動することを対象者に手を変え品を変え、伝えようとします。

そして、自分の生活をもっとより良く改善できるのに、なぜ私達はそれをしようとしないのか。人生をより良くしたいと思っているのに、それを止めている理由は何かをこの動画では語っています。

Queer Eye Hosts Take You Behind Scenes | Netflix

動画は00:56から

Karamo: What is causing this person to stop trying to be better with their hair, with their home, with their diet, with their fashion? There is a reason behind that. For real, sustainable growth, you have to understand that reason.

カラモ: もっと素敵な髪型になれるのに、もっと素敵な家にできるのに、もっと健康的な身体になって、もっと素敵なファッションを楽しめるのに、そうなれるものを止めている理由は何なのか? 何かその背後には理由があるはずなんだ。本当の意味で継続的に成長するには、その理由を理解する必要があるんだ。

Antoni: If you get to know somebody, the reason is always there. You just have to find out what is sometimes.

アントニ: もし誰かの事を本当に知る必要があるなら、常に僕たちには見えない”その理由”はそこにある。時にはそれが何かを突き詰めなくちゃね。

動画は12:41から

Tan: Within our two verticals, everybody has an opinion on fashion and grooming., everyone, I think that we have really stepped into our comfort into our part of this year.

You are not nice to yourself. You are not kind to yourself and we are not gonna stand for it.”

タン: 皆んな誰しもが、服装やグルーミングについて意見を持っている。皆んなね。

“あなたは自分を十分に大切にしていない。あなたは自分自身に優しくない。

私達にはそれが我慢できない。”

動画は02:48から

Antoni: They are spending a week with a perfect stranger when they are opening up about parts of their lives that they have never shared with anybody. It`s a tremendous responsibility, but at the same time, we get to kind of be like these messengers of love and kindness. just humbled and grateful that we get to be part of that experience.

アントニ: 彼らは1週間、完璧な赤の他人である僕たちと過ごすんだ。そして誰にも話した事がなかった自分の人生の秘密について話してくれる。それを受け止めるにはとても大きな責任が伴う。と同時に、僕らは愛と親切心のメッセンジャーのようになるんだ。ただ謙虚に感謝の気持ちで、この経験の一部になれた事に対してね。

sustainable growth 継続的な成長

opinion 意見

stranger  部外者 他人

responsibility  責任

humble 謙虚な

ファッション担当のタンがある対象者の男性にこう言います。

あなたは自分を十分に大切にしていない。あなたは自分自身に優しくない。 私達にはそれが我慢できない。”  と。

彼らファブ5は、自分自身に対して厳しすぎる人、自分自身に自虐的な人、自分自身にちゃんとケアをしてない人に対して、必ず厳しく言います。”もっと自分を甘やかしなさい。誰かの前にもっと自分をちゃんと大切にしなさい。”と。

特に男性に対しては、社会が無意識に押し付けてくれる”男はこうあるべき”というメッセージに毒され過ぎて、窒息しそうになっている人が大勢いるのではないかと、次の動画では語るのです。

Cute.Guides: アーヴィング・ゴフマンの社会学〜ありふれた「コミュニケーション」を考える〜: 印象操作
アーヴィング・ゴフマンの社会学を通じ、我々にとってありふれた「コミュニケーション」について考える。

ゴフマンという学者が、印象操作という言葉を生み出しました。簡単に言えば、私たち人間は期待されている役割通りに、意識的にも無意識的にも自分の振る舞いをコントロールしているという事です。

それには男らしくしていろ、女らしくしなさい、ゲイらしく、レズビアンらしくもあるでしょう。日本人らしく、旅行者らしく、40代らしく、母親らしく、家出少年らしく・・、印象操作はこの社会の至るところにあります。

他人を快適にするために、期待された役割を演じるべきではないよ

ここからの動画ではファブ5が考える”男らしさが間違えた方向に進んでいる”というインタビューです。

Queer Eye Tell Us Where Men Are Going Wrong In 2018

Queere eye tell us where men are going wrong

ファブ5が答える” 男らしさが間違えた方向に向かっている”

Karamo: I remember the very first time I ever hurt myself. I almost my leg was basically broken and my coach immediately said to me “You better not cry, walk it off”. I was thinking to myself “You would never say it to the young women”

カラモ: 1番最初の経験はよく覚えてるよ。子供の時に自分がひどい怪我をした時だ。脚はほぼ折れていたんだけど、コーチはすぐに僕に言ったんだ。”男だったら泣くな、歩き続けろ!”って。そんなの女の子には絶対に言わないだろ。

Bobby: I grew up in the South and midwest. And those type of places when men are definitely trained to not feel their emotions and not let on when they are sad and not let on when they are very happy.

ボビー: 僕は中西部で育ったんだけど、こういう場所では、間違いなく男は自分の感情を感じないように育てられる。悲しい時にも何も言わないように、幸せな時も表現しないようにね。

Antoni: I think vulnerability is something that I take for granted. I consieder myself a pretty vulnerable person with something and I am very guarded with others.

アントニ: 僕は無防備でオープンである事は僕達にとって当然あるべき事だと思っている。自分自身、とても無防備な人間だと思ってるし、周りの人達にも守られてきたんだ。

I mean I had this conversation with AJ when we were in the low cost fitting room with Tan when I talked about my sexuality.

番組でAJともこの話をしたんだ。僕のセクシャルティーについて、タンと試着室の中で話したようにね。

And it is not something about I have really discussed that I have ever always been really private about but I have always considered about myself you know as I have been quoted as saying like more along the spectrum of thing.

けど、あまりにもプライベートに感じて、この種の話をしてこなかった。僕はいつも自分に対して、単純には定義できないものと考えていたんだ。

But I felt weird about saying because the word “bisexual” didn`t seem to really fit or I didn`t feel comfortable with it.

But I`m learning just a sort fo be calm in how I feel and I don`t have to be titled for who I am and how I identify.

言うのも奇妙に感じるんだが、バイセクシャルという言葉は完全にしっくり来ないし、心地よくも感じない。

けど、自分が穏やかな気分の時はどう感じているかを学んでいる最中なんだ。自分が誰でどのように決めつけられるか、そんな事は必要ない。

Tan: I really tried my whole life to act a certain way to behave a certain way so I was too offensive to certain people. It is important to just do what makes me feel comfortable, what makes me feel happy. I shouldn`t make other people who feel comfortable.

タン: これまでの人生で僕はある決められた役割で振る舞う為に、ある決められた役割を演じるために、そうやって必死に生きてきた。けど、大事な事は何が自分を心地よくしてくれるかって事、何が自分を幸せにしてくれるのか。他人を快適にするために人生を生きるべきじゃないんだよ。

Karamo: So many men have felt as if I could do whatever because I have this sort of masculine privilege and culture has told me that I am better than, you fill in the blank.

カラモ:あまりにも多くの男性が、自分は男特有の特権を持っているからという理由で、自分は何でもすることができると感じている。そしてこの社会は僕達に、”俺はお前ら(男性)より優れている男なんだ”と常に競争させるようなメッセージを刷り込んでくる。僕の言いたい事は分かるでしょ。

hurt  傷付ける

train  訓練させる

vulnerability 無防備な

take for granted  当たり前に考える

consider 熟慮する 考える

a certain way   ある一定の(決まった)方法

comfortable  心地よい

ゴフマンの印象操作でもありましたが、人は無意識的に居合わせた場に応じた互いの役割を認識し、その役割に沿って振る舞いを決める生き物です。例えそれが自分にとって不快でも、自分にとってしっくりこなくてもです。

ゲイとして自分らしく生きることを決めたQueer Eyeの5人は他の誰よりも、この社会から期待される役割と、本当に自分がしっくりする振る舞い方や生き方の間で葛藤して来たでしょう。

それが故に、自分とは関係ない社会が決めつけてくる ”男らしく振る舞え” ”周囲を混乱させるな” ”親の期待を裏切るな” そういった抑圧で苦しんでいる他の多くの男性に、そうじゃない生き方もある事を番組を通して伝えたいように感じます。

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